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現在の医療には限界があります。歯科医療においても同じで再び歯を生えさせることもできませんし、虫歯の治療も治ったわけではなく人工物に置き換わっただけです。

実験段階としては歯を生やしたり自分の歯を元通りにしたりする再生医療に取り組んではいますが、実用段階にはまだまだほど遠いものがあります。
 実際の治療に際しては可能性を追求する治療方法もありますが、ほとんどは限界を意識した治療になります。限界を意識すると言うことは実用段階の治療としては可能性を追求したからに他なりません。そのためのトレーニングを積んでいる歯科医師、歯科衛生士が治療に当ります。
 その他、可能性のみを追求してしまうと実験医療のようなことになり、まるで賭けのようなことになります。確立された医療を高次元でやりとげることが現在では最良と思われます。

 
 かの有名なヒポクラテスも医療の初歩として「これ以上悪くしないこと」をあげているように、歯科治療においては硬い組織を相手にしている限り治癒はありえず、ともすると医原病のように治療を受けたほうが悪くなったと言うことがままあります。そのような事態だけは避けるように心がけ、十分な可能性の中での限界値が現在では唯一治療と呼べるものです。